精米の話③

豊田壽 社長「ヒサシ通商」という老舗の精米業者さんが福岡県久留米市にあります。
山口酒造場のビジネスパートナーで、大変信頼のおける精米専門の業者さん。 

豊田社長には当社の「造りたい酒」を十分に理解していただいておりますので、当社は安心して大切な精米作業を委託出来ています。

面倒な打合せもいつも対応していただきます少し専門的な話になりますが、どうして今回は無効精米歩合が高かったのかなど、つっこんだ打ち合わせが頻繁にできるのも地元ならでは。
豊田社長は元気いっぱいの方で、いつ寝ているのかな?とこちらが心配するほど夜を徹して工場を見廻り、常に鋭い目を光らせる方。

このような方々のご協力なしには「庭のうぐいす」の酒造りは出来ないのでした。

精米の話②

縦型精米機<縦型精米機>

江戸時代には水車でおこなわれていた精米は、現代は縦型精米機を使っておこないます。
余談になりますが、水車での精米ができるようになってから、良質の酒が大量に出来るようになったといわれています。

ロールが回転して、摩擦で米がすこしづつ削れます<緑色のロールが回転します>

初めの写真の縦型のところに米がたくさん入っており、一番下にあるロールという思いたい円盤(写真2)が回転します。米が直接ロールによって摩擦されることにより、米粒が徐々に小さくなっていきます。目標の精米歩合になるまで、何度も何度もロールによって削られます(精米)されます。

たとえば精米歩合70%(30%を削り落とす)にするには11-12時間。デリケートな山田錦だと19-20時間かけます。山田錦は米がやわらかいので砕けやすいのです。

たとえば、大吟醸用の山田錦は、天気によっても違いますが、おおよそ3日半程度、75-85時間もかけて温度を上げないように、ゆっくりゆっくり丁寧に精米していきます。

回転計

国際キルトフェスティバル

今月18日から26日まで、東京ドームで国際キルトフェスティバルが開催されています。
昨年に引き続き、女将の山口怜子の作品が展示中。

東京ドームでの講演の様子(昨年)パッチワーク人気は未だ衰えをしらず、昨年も大変多くの方にお越しいただいたようです。
今年は山口怜子の講演はありませんが、会期中は来場者とお話をさせていただいておりますので、お越しの方は是非声をおかけ下さい。

TV放送
1月20日  NHK-BS2 10:00~ (16:00~再放送)
国際キルトフェスティバル

*山口怜子は11時頃から20分程度出演予定。
http://yamaguchireiko.com/

精米の話①(全5話)

食べる米に比べて、日本酒用の米は長い時間と手間ひまをかけて精米していきます。精米とは米を削るだけの工程ですが、実は大変重要な工程なのです。

米の回りには、たんぱく質などの成分が多いので、米を削ることで、酒にすると美味しくない成分を取り除いていきます。 一般的に70%までけずれば十分ですが、磨けば磨くほど酒の味は淡白になっていきます。

また、品種別・産地別に米の特性が違うため、精米には職人的な「勘」と「経験」も必要とします。たとえば平成19年度は大変夏が暑かったので、気候的要素も考えなくてはいけないなど。
玄米福岡県糸島産の山田錦を50%まで削ったもの兵庫県産の山田錦を35%まで削ったもの

日本酒のラベルに書いてある「精米歩合70%」とは100kgの重さの玄米を70kgの重さまで削ったということです。上の写真は左から、玄米、50%、35%の白米。造りたい酒によって、精米歩合を変えていきます。

つづく

酒と硝子、酒と陶器

酒と硝子、酒と陶器【イベントの紹介】
2008年1月18日~31日
会場 USHIOSPEX FUKUOKA
    福岡市大名1-8-30  092-732-4211

展示1展示2展示3

かつて、三大酒処といわれた福岡。
この日本酒を題材にして、「硝子」「陶器」それぞれの作家が酒器を製作し、「酒」を愉しむ空間を創ります。

硝子/高橋禎彦  陶器/片岡耕太郎  料理/北島克正 日本酒/山口酒造場

入口

19by酒造り

1月も中旬に入り蔵もすこし落ち着いてきましたが、酒造りは今が最盛期に差しかかっています。

今日から、すこしづつ19by(平成19醸造年度)の造りをご紹介していきます。

まずは酵母の紹介。

こちらは山口酒造場がもっとも多く使用する9号酵母という清酒酵母で、写真のものは9号酵母を純粋培養したもの。大吟醸用に特別に培養された酵母。

9号酵母は味と香りのバランスがとても良い酒に仕上がります。

\KA-1を純粋培養したもの

 酵母とは自然界に広く生息する微生物ですが、日本酒を造る場合、別途純粋に培養した酵母を後から添加するのが一般的です。(酵母は分裂しながらどんどん数が増えていきます)

ちなみにワインの場合はぶどうの実の中に酵母菌が生きているので、ワインを造るときは酵母も水もなにも添加せずに製造していきます。

日本酒は酵母の種類よって、酒の基本的な香りや味がほぼ決まります。

 酵母は「糖」を「アルコール」に変える働きをしますが、分かりやすく言うと、「アルコール」とは酵母の「オシッコ」という表現も出来ます。
つまり、すこし乱暴な言い方になりますが、酵母という微生物が食べた後の排泄物がアルコールなのです。

 ちなみに9号という酵母は、昭和28年に熊本県酒造研究所で分離されたので、「熊本酵母」や「熊本9号」などとも言われ、現在全国でもっともポピュラーな日本酒酵母ではないでしょうか。

現在は、とても吟醸の香りの強い酵母や、りんご酸などの「すっぱみ」をたくさん作る酵母など、いろんな酵母が開発されています。

つづく

1月蔵元日記

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は皆様方に大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。

いよいよ新年のスタートです。
本年も、「nipponのこころ造り」を通して、山口酒造場らしい商品を造って参りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 また当社は今年で創業175年目になりますが、「2008」年は当社の電話番号(0942-78-2008)と同じという偶然も重なり、大きな節目の年にしたいと考えています。
今年は特別な想いで望み、変革の年・飛躍の年になるように取組みます。

2008年もどうぞ宜しくお願いいたします。

2008年1月1日
庭のうぐいす 醸造元
合名会社 山口酒造場
蔵元  山口哲生