3日目、4日目と順調です。すこし泡が目立つようになってきました。
毎日1度弱つづ温度を上げていき、7日目に温度を14度くらいにもっていいくつもりです。
発酵が元気すぎるからといって今の時期に、急に冷やすなどの「イジメ」をしすぎると、酵母がへそをまげて一気に元気がなくなったりします。 今の時期は、まるで子供を自由にのびのび遊ばせている感じ。
今はあまり慌てず、大胆かつ慎重な作業が求められます。
(つづく)
磨き抜かれた技を継承
~仕込編~4日目。
昨日の仲仕込に注ぎ足すように、最後の仕込、総米の約1/2を使うのですが、留仕込(とめじこみ)を行います。
留の仕込配合は…
米455kg
麹95kg
水820リットル
仕込温度は8度。
今回は、一升瓶に換算すると約1500本のお酒を仕込むのに一本のタンクで仕込んだことになります。
使った米は、合計で1200kg(玄米では1800kg弱)。
その内、麹に使用した米が255kg(麹歩合 255/1200=21.25%)
麹歩合が高いほど、濃厚なお酒になる傾向があります。
また、使った水の量が1530リットル。
水歩合という計算式があり、今回は、1530リットル/1200kg=127.5%。
この水歩合が多いほど、酵母はよろこび元気に発酵しますが、エキス分がうすまり、「飲みやすい酒」になります。
このあたりは奥が深いので、このくらいにしておきます。
今まで、添→仲→留と三回の仕込を4日間で行いましたが、仕込はこれで終了です。
明日からは、モロミの発酵期間になります。
おおよそ、23から25日で上槽(お酒をしぼること)する予定です。
(つづく)
~仕込編~2日目。
今日は「踊り」という日です。踊りとは、文字通りモロミの表面を「踊らせる」こと。酵母が働き、表面にプクプクと泡が筋状になって「踊り」始めます。
今日は仕込はなく、状態を「じっと待つ日」。
写真のように、モロミの表面にぶくぶくと泡が立ってきたので、酵母が順調に増殖している証拠。ここまで酵母が元気に働けば安心です。
むしろ、仕込49号は活発すぎるくらいで、朝からすこし温度を冷やしてあげて、「落ち着いて、落ち着いて…」と言い聞かせている程。競馬にたとえると、第一コーナー手前で減速させている感じ。このまま突っ走らせると最後にヘタってしまいそうです。
夕方には、親タンク(大きいタンク)に移し変えて、明日の仲仕込、明後日の留仕込に備えます。
今日は「じっとまつだけの日」ですが、一見なにもしないように見える今日が実は重要で、既に引退したある名杜氏は踊りの日だけは自らが蔵に泊まり、夜も何度か起きて手入れをしていた……こんな話を聞いたことがあります。
踊りには、「丁度いい加減」があるのです。
静かな緊張感が張り詰める踊りの日でした。
酒母は、昨日3月2日に完成しました。
昨日は「枯らし」といって、一日間温度を冷やして「落ち着いて、落ち着いて…」となだめるように養生していました。まずまず、良い酒母に仕上がったと思います。
今日から、4日間、仕込が続きます。
仕込とは、米と麹と水を混ぜ合わせることを言います。
「米」とは、今日蒸す米のこと。「麹」とは今回は紹介しませんでしたが、2日間をかけてあらかじめ作っておきました。「水」とは、仕込に使う水のこと。
日本酒の仕込みは徐々に量を増やしていきますが、一日目を「添(そえ)仕込」二日目は「踊り(おどり)」という何もしない日、三日目の「仲(なか)仕込」、四日目の「留(とめ)仕込」と続きます。
この、添→仲→留と3段にわけて仕込むのが、日本酒の特徴。ちなみに焼酎は1段が一般的。
例えば、600kgの米を使って仕込むとすれば、添は100kg、仲は200kg、留は300kgを使用するのが原則です。
今日は添え仕込なので、全体の1/6を使います。
仕込配合は…
米150kg
麹60kg
水210リットル
仕込温度は12度が目標。
小さな容器で仕込みます。
(つづく)
3月になっても相変わらず吟醸酒の仕込が続いています。
今年は3月9日が甑倒し(今年の仕込が終わること)の予定。仕込は終わりますが、火入れ・ろ過など大切な作業が目白押しの3月です。
月初恒例の社員紹介、今月は田中健君をご紹介します。
田中君は今年の仕込から参加した、当社で一番若いスタッフ24歳。
どことなく愛嬌があり、一生懸命汗だくでがんばる姿を先輩たちはニコニコと見つめています。今は、原料処理と麹を担当しています。現在まで風邪もひかず、無遅刻無欠席の頼れる若者。
●田中健
酒造りは初めての体験で慣れないことが多く、仕事は大変ですが、皆様に美味しいと言ってもらえるような酒を造りたいです。宜しくお願いします。