庭のうぐいすでは、年に1回社内試験があります。
酒市場の現況、日本酒の歴史、醸造理論、化学計算まで多岐にわたり出題されます。
営業部、製造部隔て無くスキルアップと情報の共有を目的としています。
落第点の社員は、居残り補習授業が待っています。
試験出題と試験官は杜氏の古賀が行います。
月: 2014年3月
いよいよ蔵の解体
5年くらいまえだったろうか。
お酒をしぼる場所を槽場(ふなば)というが、とつぜん槽場の梁がボキッと折れた。
槽場は不衛生になりやすい場所なので、大量の水で毎日洗浄する。
思い返せば、年中湿気が多かったのかもしれない。
初めは、見て見ぬふりをしていた。
どうせ古い蔵だ。痛んで当たり前。
しかし、数か月すると、壁が折れた。
変な言い方だが、壁が曲って折れた。
正確にいうと、横に亀裂がはいり、そのうちだんだん盛り上がってきて、山のてっぺんが横一列に裂けてしまい、壁が折れたようになった。
これは大変だと、近所からパートできてくれていたおじさんが、つっかえ棒をしてくれた。
建設現場が長い人でよかった。
後日、専門家に見てもらった。
応急処置としては、満点。
でも、寿命はあと5年はないからね。
と言われたのが5年前。
そして、今回の建て替え話になってくる。
(つづく)