蔵元日記6月

新緑が深まり、入梅前の爽やかな風が印象的です。

静かな蔵とは対照的に、種まきを終えた農家では芽を出し始めた稲の手入れに余念がなく、田植えにむけて忙しくなっています。

昔から田植えとは神聖なもので、田植え前には乙女が一日みそぎをし、翌日の早朝から腰に赤い布だけを纏い田植えを行う神事を行っていたのは、筑後地方だけでしょうか?(みそぎが終わった乙女を早乙女と呼んだらしい)

尊い田植えが始まる前には、蔵でもお供えをして今年の米つくりが無事に行えるように神様に願います。

お供え(早苗、魚、酒をしつらえます)

山口酒造場では酒造りのもっとも重要なエッセンスは米だと考えています。
大自然に対して酒蔵として無力に近いのですが、稲が健康に育ってくれるように絶え間なく努力をしていくことが大切だと思っています。

お供え

ps赤い布と絞り布は昔の名残です。
  絞り布はいろいろ種類がありますが、室礼では伊勢木綿ときまっているようです。