山田錦10月19日

甘水の山崎さんから稲刈りをしたと連絡があったので行ってきました。

モミガラの山の前で「今年は往生した」とは第一声。隣の田んぼで知人が野菜を作っていたので、今年は思うように自分の田んぼで水管理出来なかったらしい。水を入れるとモグラの穴を伝って水が隣の畑に流れてしまい、野菜は出来なくなるらしい。いろいろあるものだ。

しかし昨日収穫したコメは粒は小さいもののなかなか健康でいいものだと納得されていました。今年は気温が高かったので、どこの産地でもモミが厚く玄米が小さいのが特徴だろうか。気温が高いと自分を守るためモミが厚くなる傾向があるそうです。
あとはたんぱく質がどこまで少なくなっているか楽しみな感じ。

山田錦10月17日

かけ干し

自然農法で取組む樽海さんの稲刈りが16日に終わりました。ご苦労なことに今年も手刈りです。昔懐かしい「かけ干し」が行われており、約1週間かけて乾燥させます。

すこやかな稲

この自然乾燥、いわゆる天日干しというのは米の食味を高めるので、天日干しのコメは本当に美味しい米になります。現代ではそんな面倒なことをせず、大半がJAの大型カントリーで熱風により機械乾燥されていますが、JAの主導する農業を知るたびにがっかりさせられます。

地割れしています

コメが「まだ」と言っているのにカントリーの順番に合わせて未熟米が収穫されてしまう現実、一旦カントリーに入れればあとは農家は知らんぷり、コメの出来栄えに関係なくJAが買い取ってくれ実際の販売はJAがやってくれる現実、これでは栽培に力が入らないのは当然でしょう。

結果JAだけが儲かるしくみで、所得が上がらない農家に後継者はおらず農業は衰退の一途。日本の食料自給率は40%を切り、国力も危ぶまれています。日本にはまだまだ美しい自然が沢山あるのに、残念。

(お金で安く食料が買える時代はそろそろ終わろうとしていると個人的には思うのですが、農家の方は今自信をなくされています。もうすこし1次産業の人が豊かになる方法はないのでしょうか。話をしているとこちらが心が洗われるような純粋で素晴らしいかたばかりです。)

見事な黄金色

それにしても樽海さんの田んぼは黄金色に輝いており、本当に美しかった。
肥料を全く施さず間隔を広くあけて栽培し、分株本数も15-18本とすくなく自然の力だけで成長した稲、戦前では当たり前の光景でしたが、今はこんな農家さんは「変人」扱いされる現代です。

上原先生(右)と先代 

昨年亡くなられた上原浩先生から「戦前の自然乾燥した米を原料にした酒造りと、いまの酒造りとは、根本的に醸造理論が違う」と聞いたことがあります。

当時は、よく理解できず「ふ~ん」くらいしか聞いていなかったのですが、今思うと、先生は何といいたかったのか。

これも昔話ですが、今年亡くなられた永谷先生から「山田錦の玄米おにぎりは美味しいぞ!!」と教えてもらったこともありました。酒米は食べても美味しくないとは業界の常識なので、すこし驚いたことを覚えています。

昨日は樽海さんの「山田錦玄米おにぎり」を一緒に食べましょうと約束をして帰ってきました。週末あたり楽しみです。

収穫の時期 乾燥は一週間

肝心の山田錦は、思ったより小粒でしたが心白がしっかり中心に入り見事なもの。今からコメの分析をしていきますが多分間違いない品質でしょう。 

余談ですが、山田錦にしては随分背丈が短い気がしたので何故かと尋ねてみると、肥料をあげなかったら毎年すこしずつ背が縮んできたとか。

山田錦の特徴の一つ、背丈が高い(=栽培しにくい)というのは肥料のせいだったのだろうか?

コメ造り…分からないことばかりです。終わりのない挑戦は続きます。

続報 筑後の土蔵

酒売場です

毎日多くの方にご来場していただき、大盛況の筑後の土蔵です。はるばる遠方からきていただいく方、毎年10月が楽しみといっていただける方、様々です。

パッチワークは全部で70点ほど展示しています

今年も山口怜子のパッチワークを第一会場、第二会場、母屋の全館に展示しています。
今年は、小さい作品が多いため飾りつけが大変だっととは本人談。小さなキャプションに、その作品に使われている布の物語、人物の物語を書いています。

蔵の膳 

こちらは人気の蔵の膳。今年のメニューは食前酒の梅酒(又は雑穀甘酒)から始まり、最後のスイーツと紅茶まで全17品。 1500円のお弁当は一日限定100食です。

今年はTV放映が重なったこともあり問合せが多いので、ご希望の方は必ず電話で予約または確認してお越し下さい。昨日もわざわざ県外からお弁当を食べにきていただいたのに蔵の膳が売り切れており、本当に申し訳なく思いました。
 

今でも現役です。

蔵の膳以外にも、うどん類を準備しています。
こちらは、100年以上つづく現役のおくど。倉男の食事を炊き続けた蔵の生き字引です。
今年は、この釜をつかってうどんやおにぎりをお出ししています。

約50万本のコスモス

筑後の土蔵は今週日曜日、21日まで。日本のよいもの素晴らしいものを筑後の酒蔵から発信しています。当社の考える日本酒の楽しみ方、食のあり方などを体験しにいらっしゃいませんか。近くにはコスモス街道という小径もあり、現在コスモスが満開です。

一同こころよりお待ち申し上げています。

山田錦10月13日

秋も深まる季節。長かった山田錦の栽培も最終段階です。
収穫まであとすこし、追いかけてきた重松さんの田んぼではすこしトラブルが起きています。

倒伏した稲倒伏した稲2

ご覧の写真は、先週の大雨で稲が倒伏した様子。
重松さんの田んぼでは予想以上の倒れ方をしています。
根元から倒れていないのであまり心配はしておませんが、今までの栽培方法が正しかったのか、とても考えておられました。

仲間に連絡をとる重松さん

仲間と携帯でいろいろ相談されています。今年は、中干し期間が短かったこと、それと、冬場の草を肥料としてすき込んだのが稲が伸びすぎた原因なのか?と自問自答しておられます。 農業とは本当に奥の深いものです。

 私がみても、少し緑がつよく、肥料が効きすぎたのかな?と思いました。 肥料が強いと稲が伸びすぎて倒れたり、たんぱく質が増えすぎて良酒にはなりにくい傾向があります。

重松さんは刈り取り時期を遅らせて、たんぱく質を減らす方向でいくそうです。まだまだこれから諸策を練り、挽回出来ると言われています。 
いい酒を造る為に何かとご協力していただき、本当に頭が下がります。

黄金色に輝き始めました

こちらは、樽海さんの田んぼ。倒伏もなく、緑から黄色に色が抜けてきて黄金色に輝き始めた見事な田んぼ。こちらの山田錦は大粒でたんぱくも少なく極上品になるでしょう。
刈り取りは重松さんより1週間ほど早く予定しています。

お酒の会、目白押し

秋も深まってくる季節、お酒が本当に美味しい季節になってきました。

今週の酒の会のご案内です。

●10月11日
場所  東京両国第一ホテル
㈱花山(www.nipponnosake.com)が主催する、秋のきき酒会。150件の酒販店とその取引飲食店さん限定の毎回熱気あるれる会です。全国から400名近い熱心な酒販店さん飲食店さんが来場されます。

●10月13日
場所 福岡ソラリア西鉄ホテル
福岡の老舗デパートの岩田屋が主催する女性向けの感謝イベント。福岡の蔵元8社で出展します。時間は19時30から21時。

●10月13日
場所 久留米六角堂
「筑後スローフードフェスタ」というイベントが地元久留米市で開催されています。毎年酒蔵もコラボレートしており、昨年は当社の「蔵の膳」がパネルディスカッションの題材に用いられました。今年は、弊社社長の山口哲生がパネラーで登場します。

●10月14日
場所 札幌ルネッサンスホテル 「北海道にて蔵元を囲む会」
18:00-20:00
はせがわ酒店の北海道でのきき酒会。
当社の出品酒は秋あがりした、うぐいすラベル純米吟醸酒。

●10月14日
場所 神奈川県厚木商工会議所 「ひと蔵の会」 
16:30-19:00
当社特約の神奈川県厚木市の寿屋酒店の酒の会。今年は4種類をお奨めします。

 

すももリキュール 

赤い色はすももの色素を抽出したもの7月にアップしたすももリキュールの続報。
ハリウッドという品種のすももをしょうちゅうにつけていたらこんなに綺麗な色にそまっていました。甘みが上品で酸味も程よく、上等なロックグラスで飲んでみるとなんとも爽やかな感じ。 数がとても少ないのですがもうすぐ発売できるかもしれません。大分県の大山町農協の矢幡組合長おすすめのすももだけあって、味は確かなようです。 

山田錦10月4日

とうとう10月に入り、収穫まであと三週間ほどでしょうか。稲は登熟期にはいっており、モミの中にはすでに硬い粒が入っています。

古賀集団長と重松さん

今年の秋は大変あつく、高温障害の一種でしょうか、ウンカやカメムシがたくさん発生して、稲の養分を吸い取ろうとしており、減農薬栽培で取組む古賀集団長さんと重松さんがどの程度消毒するかを考え中です。

農薬を使うことには賛否両論ありますが、個人的な考えですが、稲作においては農薬は種類を選び、上手に使用すればいいのではと思います。 消費者は「無農薬」という言葉に弱いのですが、田んぼや農家の方のことを知れば知るほど、そう思うようになりました。 (野菜類は別です。また、肥料は化学・有機ともにすこし考えるべきかもしれません)

頭をたれる姿

今の田んぼの色は緑色から黄緑色で、まだまだ緑が強い感じですが、これがあと10日もすれば黄緑色から黄色に変化し、最後は黄金色に一面が輝きます。
美しい日本の原風景、山田錦のたんぼを眺めていると、こころが洗われるようなすがすがしい気持ちになります。

干潟畑灌

筑後の土蔵 営業中!

シンボルの布袋様1日から筑後の土蔵が始まりました。当社の考える「日本酒」という飲み物、発酵食品の使い方、筑後の酒蔵からいろんなものを発信しています。

21日まで無休で営業してますので、どうぞごゆっくりお出かけ下さい。一同こころよりお待ちしております。

はせがわ酒店 酒の会

来場者は600-700人程度9月30日、はせがわ酒店(www.hasegawasaketen.com)の酒の会が、東京のホテルイースト21にて行われました。参加蔵元は130社、「日本一の酒の会」という声もありました。

長谷川社長は表参道ヒルズに出店して以来TVにもよく登場し一般にも有名になりましたが、実は日本酒の業界では20年以上まえから、多くの地酒ブランドを世に送りだすなど蔵元からの信頼も大変厚く、業界トップを走り続けるカリスマ経営者。

当社の先代が東京に酒を売ろうと20年以上前に最初に東京で訪れたのも、実ははせがわ酒店さんでした。

またはせがわ酒店さんは、10月25日東京駅にグランスタという商業施設ができますが、そこにお店を出店されます。場所は旧 銀の鈴のあったところ。営業時間は7時~22時。年中無休だそうです。

今回、はせがわ酒店さんの日本酒に対する(日本に対する)厳しく温かい想いに、我々も気を新たにした会でした。 素晴らしい会を主催していただき、誠にありがとうございました。

10月蔵元日記

やっと九州も涼しくなってきましたが、いまだ日中の日差しは随分強く、長袖はいらない毎日が続いています。

当蔵では毎年10月1日から「筑後の土蔵」という蔵開きを行っておりますが、今年は21年目。随分続いたもんだなと自分でも思っています。蔵開きでは、秋上がりの酒の美味しさ、また食の提案などの情報発信をしています。筑後の土蔵が終了すると、当社ではすぐに酒造りに入ります。

さて今月の社員紹介は西山愛子さんの登場です。
西山さんは、なんだかいつも初々しくハツラツとしていてとてもお孫さんがいるようには見えませんが、当社では入社15年のベテランです。現在は、瓶詰場(お酒をボトリングする部署)で主任として勤務しています。まちがいなく綺麗好きでは当社一、西山さんが担当する現場はいつも整理整頓が行き届いており、どこもかしこもピカピカです。 

●西山愛子
 会社では、瓶詰場を担当しています。毎日出荷されるお酒には「お客さんに美味しいといってもらうといいね」とまるで母親のような気持ちで運送便を見送っています。これからも庭のうぐいすをどうぞ、よろしくお願いします。

西山さんです また今日から始まる筑後の土蔵では、食事コーナーで皆様に喜んでいただく美味しい食事を準備しています。100年以上現役の「おくど」では薪で火をおこし、沸かしたお湯でうどんを茹でたり、おにぎりを作ったりしています。どうぞ皆さん、10月は当社のお祭りです、皆さんで是非是非遊びに来てください!!