一段落

母屋玄関Ⅱ
春のイベントも一段落。
今年も多くの方々にご来場頂きまして、誠に有難うございました。
気候も日増しに暖かくなり、夏へと向かって参ります。

来月5月中旬頃には、夏のお酒「特別純米 なつがこい」の出荷を予定しております。
もうしばらくお待ち下さいませ。

お客様係の柴戸でした。

第28回 筑後の土蔵 


3月20日~31日に開催された「第28回 筑後の土蔵」本日をもって無事に閉会することが出来ました。
開期中はたくさんの方々にお越しいただき、誠にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
行き届かぬ点多々あったかと思いますが、今後ともどうぞご指導の程よろしくお願いいたします。

吉原の花見

今回、室礼(しつらい)師・菊川氏に入っていただき、母屋を見事に飾っていただきました。

室礼師とは、「和風インテリアコーディネーター」という言い方が
まったく本質を言い得ていなのですが、初めて聞く人にはわかりやすいかもしれません。

実は、わたしたちも、最後まで驚きの連続でした。
緻密に計算され、わずか12日の間に思い通りにサクラが咲き、満開になり、葉桜になるさま。
ツバキが自然に落ちるさまを楽しむ贅沢。
根気強く、丁寧に、毎日、朝昼晩、手を入れていく。

各地から取り寄せられた三種のサクラ、ツバキ、赤松、カラー、柳、美術びな、道具、稚こい、苔、草花の組み合わせ。
一瞬の美のために、献身的でもあり、神々しくもあるその室礼師の仕事を間近でみさせて頂きました。

椿

この中で、食事をし酒をいただくという、日本の天皇家・公家や大名が楽しんできた贅沢。
地方のお金持ち(豪商)たちが、なんとかそれを模倣しようと、作らせた町雛たち。
1年を72候に分け(24節季72候)、5日ごとに模様を変え、季節を飾り付けます。

「日本の室礼は、世界で一番贅沢な遊び」
と言われるそうです。
日本の公家や大名たちが1000年以上も慣れ親しんだ、贅の極み。
日本の最高級のおもてなしです。

そして、これらすべてが、酒と関係している。
すべては、酒や膳をいただくために整えられるのです。

ももが

残念ながら、室礼を伝える人たちはだんだん少なくなってきているようです。
とてつもなく手間も費用もかかるからでしょうか。
日本の気候、しかも土蔵じゃないと、人形や道具の保存ができないという現実もあるようです。

われわれは日本酒の造り手として、この室礼に今後も微力ながら関わっていきたいと思っています。
といっても、出来ることは、たいへん、たいへん限られてしまいますが。

「あーー、楽しかった。
 またやってみたい!
 でも、疲れた~」
という本音を書かせていただき、
今回の結びとさせていただきます。

深謝

蔵元日記

都合により、部分的な写真になりますことご了承くださいませ