謹賀新年

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明けましておめでとうございます

旧年中は、皆様方に日本酒「庭のうぐいす」をご愛顧いただきまして
誠にありがとうございました。

また旧年中は、お取扱い頂いている酒販店様、飲食店様にはご不便やご迷惑をお掛けする場面が
あったかもしれませんが、都度温かいお声がけをいただき、心より深謝申し上げます。

昨年は、いわゆる「先祖代々大切に使ってきた蔵」を老朽化を理由に解体することになったり
社員や私自身も体調を壊した時期もあったりと、なにかと大変なこともありましたが、皆様からの
お力添えが我々の活力になり、社員一同新たな気持ちで新年を迎えることができました。
本当にありがとうございました。

秋から始まった酒造りは、今のところ予定通り、大きなトラブルもなく順調に進んでいます。
大晦日と元旦はいったん仕込作業をお休みし、蒸しは2日から仕込作業は3日から通常業務に戻る予定です。

営業部は5日からスタートします。
今年も「元気」だけは失わず日本酒の魅力を伝えていきたいと思いますので
どうぞ本年もより一層のご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます

平成28年1月1日
山口酒造場 
代表 山口哲生

十三夜

晴れた日が多く、空が済んで月が美しく見える秋

旧暦9月13日 十三夜

庭のうぐいすのお団子も13個になりました

太陽を陽(よう)とすると、月は陰(いん)

昔から日本人は、月の「いん」が「かげ」に音が通じるので、おかげさま として
月を拝んだそうです

101 netherlands .

【蔵の解体】 ありのままの話

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(左から、番屋(ばんや)、槽場(ふなば)、もと場と呼んでいる)

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山口酒造場には、江戸時代に建てられた蔵が6棟ある。どれも築200年以上
酒蔵によくある「代々大切に使ってきた蔵」だ

これら三棟は1991年の台風で半壊したが、両親が文字通り体を張って守ったのを覚えている
誉めすぎかもしれないが、あのころの両親はいつも泥にまみれていたけど、かっこ良かった

しかしこの夏、江戸六棟のうち、これらの三棟を解体することに

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(小さいころ、よくここで遊んだ。悪いことでもしているかのようで、わくわくした)

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(もと場一階。自分が蔵に戻ったころ、大吟醸はここで仕込んでいた。前の杜氏さんとの思い出の場所)

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修理をして、なんとか建物として残せないか?
作業しやすい空間に改築できないか?
移築はできないものか

図面や見積もりが次々と届く
半年たち、一年たち・・・
しかし、なかなか将来の絵が描けない

「出来ないはずはないよ。もっと、いろんな人に聞いてごらん」
慣れ親しんだ蔵を解体したくない気持ちは、家族も一緒。
もう一度、いろいろな人に聞いてみる

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(最初に梁が折れたのは、槽場の一階。水を沢山使う場所なので、痛みも激しかった)

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つてを頼り、大手ゼネコンの方や古民家再生チームの方々にまでお世話になった

最初は、専門の方が意気揚々とやってくる
しかし、専門家であればあるほど、厳しい現実を話してくれる

思ったより、蔵は傷んでいた

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(番屋一階。昭和20年代ごろから平成10年ごろまで貯蔵に使っていた場所)

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まず費用の問題
予想はしていたが、改築は新築するよりも、経費がかかる
江戸の蔵を保存するなんて、こんな文化的なことにどれだけのお金を使えるか・・・

自分の使命てなんだろう、みたいなことまで考えた
(余談だが、移築が意外と安いことは勉強になった)

保存に向けて費用的な問題は、もしかしたらなんとかなるかもしれない
あとは、今後実用的な使い方が出来るかどうか・・・

しかし、今の酒造りに必要なカタチに蔵を改築しようとすると、いろんな法律が立ちはだかる。

建築基準法
用途地域
消防法

今更言いたくないが、規制、ルール、が厳しすぎる
堂々巡り 袋小路

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(ここ数年立ち入り禁止にしていた番屋一階。よく壊れずにいてくれた)

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法律の通り耐震補強などを施すと、もともと建物がもっていた雰囲気がなくなってしまう
しかも、今の酒つくりにはむかないカタチ

「今、使いにくい」
このことが決定的だった

解体して新しい蔵をたてよう! と腹をくくったのが一年半前
迷いがなかったかといえば、ウソになる・・・

が、常々親が言っていた言葉を思い出し、背中を押してくれた
「重要文化財じゃあるまいし。自分のよかごとしていいとよ」

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(番屋の二階。状態の良い木材だけを保存することに)

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(槽場二階の木材も一部を保存)

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(槽場一階。平成になって二度補強工事をしたが、柱が腐っておりさすがに寿命だそう)

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(モノ置き場だった、もと場の二階。改めて見ると、立派な梁組み)

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(200年もの間ありがとう。感謝の気持ちをこめて出来るだけの掃除をした)

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お盆前に、歴代の杜氏さんに挨拶をしてきた

私が小学生のころ杜氏をしていた大津正信翁のご仏壇の前で、なんでだろう、涙がとまらなくなった
でも、振り返ると、奥さんも一緒に泣いてくれていた

杜氏さんたちには悪いことしたけど、きっとご加護もあるのだと思えるようになった

第29回 筑後の土蔵 開催します

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庭のうぐいす 蔵開き 「第29回 筑後の土蔵」 を開催する運びとなりました

年に一度の蔵開き

春の久留米・北野町へのお越しを一同お待ち申し上げております
 
 ●2015年 4月15日(水)~30日(木)
 10時~17時(最終日15時まで)
 開期中 無休

 場所 : 山口酒造場 本館 福岡県久留米市北野町今山534番地1
      0942-78-2008 

 内容 : 新酒のお披露目
      宝節句(たから節句)展  パッチワークと端午の節句のコラボレーション <有料>
      久留米の食材で「きょうの料理」 青柳荘
      山口怜子の地熱料理
      蔵男のまかない定食
      地酒どころ uguisubar 

 * ご来場いただく際は公共の交通機関でお越しくださいませ
   動物連れの方は入場をお断りしております
   未成年者・お子様をお連れの方は入場をお断りする場合があります

      

春 はすぐそこ

【酒造業創業の話】

江戸末期山口家5代目 利七(りしち)は「庭を見ながら、鶯の声をききながら飲む酒がたいへんすきだった」

そうです。

そんなある春の日利七が庭を眺めていると、一羽の鶯が梅の木に飛来してきて、庭の湧水で水浴びをしていました。

利七はそこで「その水が清らかなることを知り、その水で酒つくりをすることを決意した」

そして酒名を「庭の鶯(にわのうぐいす)」と命名したそうです。
(鶯は蔵の近くの北野天満宮から、神様の遣いとして飛来するものと崇められていたそうです)

鶯が飛来したその梅の木は、今も現存しています。

今年も、その梅の木に花が咲きました。

庭にはもう湧水はありませえんが、その代り、春になると土筆が顔をだします。

春はもうすぐ。

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第28回 筑後の土蔵 


3月20日~31日に開催された「第28回 筑後の土蔵」本日をもって無事に閉会することが出来ました。
開期中はたくさんの方々にお越しいただき、誠にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
行き届かぬ点多々あったかと思いますが、今後ともどうぞご指導の程よろしくお願いいたします。

吉原の花見

今回、室礼(しつらい)師・菊川氏に入っていただき、母屋を見事に飾っていただきました。

室礼師とは、「和風インテリアコーディネーター」という言い方が
まったく本質を言い得ていなのですが、初めて聞く人にはわかりやすいかもしれません。

実は、わたしたちも、最後まで驚きの連続でした。
緻密に計算され、わずか12日の間に思い通りにサクラが咲き、満開になり、葉桜になるさま。
ツバキが自然に落ちるさまを楽しむ贅沢。
根気強く、丁寧に、毎日、朝昼晩、手を入れていく。

各地から取り寄せられた三種のサクラ、ツバキ、赤松、カラー、柳、美術びな、道具、稚こい、苔、草花の組み合わせ。
一瞬の美のために、献身的でもあり、神々しくもあるその室礼師の仕事を間近でみさせて頂きました。

椿

この中で、食事をし酒をいただくという、日本の天皇家・公家や大名が楽しんできた贅沢。
地方のお金持ち(豪商)たちが、なんとかそれを模倣しようと、作らせた町雛たち。
1年を72候に分け(24節季72候)、5日ごとに模様を変え、季節を飾り付けます。

「日本の室礼は、世界で一番贅沢な遊び」
と言われるそうです。
日本の公家や大名たちが1000年以上も慣れ親しんだ、贅の極み。
日本の最高級のおもてなしです。

そして、これらすべてが、酒と関係している。
すべては、酒や膳をいただくために整えられるのです。

ももが

残念ながら、室礼を伝える人たちはだんだん少なくなってきているようです。
とてつもなく手間も費用もかかるからでしょうか。
日本の気候、しかも土蔵じゃないと、人形や道具の保存ができないという現実もあるようです。

われわれは日本酒の造り手として、この室礼に今後も微力ながら関わっていきたいと思っています。
といっても、出来ることは、たいへん、たいへん限られてしまいますが。

「あーー、楽しかった。
 またやってみたい!
 でも、疲れた~」
という本音を書かせていただき、
今回の結びとさせていただきます。

深謝

蔵元日記

都合により、部分的な写真になりますことご了承くださいませ

いよいよ蔵の解体

5年くらいまえだったろうか。
お酒をしぼる場所を槽場(ふなば)というが、とつぜん槽場の梁がボキッと折れた。

槽場は不衛生になりやすい場所なので、大量の水で毎日洗浄する。
思い返せば、年中湿気が多かったのかもしれない。

初めは、見て見ぬふりをしていた。
どうせ古い蔵だ。痛んで当たり前。

しかし、数か月すると、壁が折れた。
変な言い方だが、壁が曲って折れた。

正確にいうと、横に亀裂がはいり、そのうちだんだん盛り上がってきて、山のてっぺんが横一列に裂けてしまい、壁が折れたようになった。

これは大変だと、近所からパートできてくれていたおじさんが、つっかえ棒をしてくれた。
建設現場が長い人でよかった。

後日、専門家に見てもらった。
応急処置としては、満点。
でも、寿命はあと5年はないからね。

と言われたのが5年前。

そして、今回の建て替え話になってくる。
(つづく)

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突然折れた梁。 応急処置でかろうじて支えたまま5年が経った

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別なるご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

弊社・製造部は大みそかも正月もきれめなく吟醸酒仕込を続けておりましたが、
やはり、新年を迎えると気持ちも新たになります。

本年は、いくつかの新商品の発売、また、仕込みタンクやびん詰めラインの入れ替えなど
設備的な挑戦も続けていく予定です。
スタッフ一同、力をあわせて業務に取り組んでいく所存です。
皆様方からの倍旧のお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

日本酒 庭のうぐいす 醸造元
合名会社 山口酒造場 代表 山口哲生

米国向け輸出から撤退します

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1997年からアメリカ向けに輸出をしておりましたが、3月出荷分を最後に撤退することになりました。長い間、庭のうぐいすをご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。

 アメリカの皆様には、輸出を始めてすぐ美味しい!と評価していただき、またラベルの面白さもあり大変可愛がっていただきました。
アメリカは現在でも最大の輸出先の一つではありますが、今回このような結論を出すことになり自分の力不足を強く感じました。関係者の方々にご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。

 今まで本当に多くのお客様、飲食店様、販売店様に支えられてきました。
16年の長きに亘り、大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

社長・山口

新酒お披露目会 3月24日

3月24日 今年の新酒を一般の皆様にご披露する
「庭のうぐいす 新酒お披露目会」を開催しました。

当日は、約1000人の方々にお越しいただきました。
ご来場された方々には行き届かない事が多々あったかと思いますが、
皆さまのおかげで無事に閉会することができました。
誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

ps 25日(月)~31日(日)まで、「春の筑後の土蔵」と称しまして、パッチワークの展示などを行っております。
   秋の筑後の土蔵で好評いただいた「地熱料理」も提供しております(予約不要)。春の北野町に是非是非お運びを。