1月も中旬に入り蔵もすこし落ち着いてきましたが、酒造りは今が最盛期に差しかかっています。
今日から、すこしづつ19by(平成19醸造年度)の造りをご紹介していきます。
まずは酵母の紹介。
こちらは山口酒造場がもっとも多く使用する9号酵母という清酒酵母で、写真のものは9号酵母を純粋培養したもの。大吟醸用に特別に培養された酵母。
9号酵母は味と香りのバランスがとても良い酒に仕上がります。
酵母とは自然界に広く生息する微生物ですが、日本酒を造る場合、別途純粋に培養した酵母を後から添加するのが一般的です。(酵母は分裂しながらどんどん数が増えていきます)
ちなみにワインの場合はぶどうの実の中に酵母菌が生きているので、ワインを造るときは酵母も水もなにも添加せずに製造していきます。
日本酒は酵母の種類よって、酒の基本的な香りや味がほぼ決まります。
酵母は「糖」を「アルコール」に変える働きをしますが、分かりやすく言うと、「アルコール」とは酵母の「オシッコ」という表現も出来ます。
つまり、すこし乱暴な言い方になりますが、酵母という微生物が食べた後の排泄物がアルコールなのです。
ちなみに9号という酵母は、昭和28年に熊本県酒造研究所で分離されたので、「熊本酵母」や「熊本9号」などとも言われ、現在全国でもっともポピュラーな日本酒酵母ではないでしょうか。
現在は、とても吟醸の香りの強い酵母や、りんご酸などの「すっぱみ」をたくさん作る酵母など、いろんな酵母が開発されています。
つづく