ろ過が終わると、火入れ作業に移ります。
火入れとは、お酒を60-65度に熱することをいい、この作業を行わないお酒は「生酒」と呼ばれます。
では、なぜお酒をわざわざ熱するのか?
新酒の中には、「酵素」という物質が沢山含まれます。
お酒の原料になる「米こうじ」は、麹菌(こうじきん)という生き物をお米に繁殖させたものですが、この麹菌が繁殖するときに自分で分泌するものが「酵素」です。
すこしわかりにくいかもしれませんが、酵素とは「生き物」ではなく「物質」だと思ってください。人間にたとえると、唾液や涙や爪や髪の毛みたいなものでしょうか?酵素とは、麹菌が繁殖するときに出したものです。
(つづく)