玄関先の塩

女将の食日記

玄関先に塩を盛る習慣がありますね。
あれは魔よけではなく、「娘に良い話があれば」と願う親の願いがこめられているのだと、ある小料理屋のご主人から聞いたことがあります。

昔、牛車に乗るのは高貴な男性でした。牛は塩が大好きで、玄関先に持ってある塩をなめるために庶民の玄関先に立ち止まることがしばしば。そこに牛車に乗った高貴な男性が、偶然にも家の中の娘に目が留まることがどれほどあったことか。。

牛は塩が大好き。歩かされた疲れた牛の体には塩が一番。塩は元気の源なのです。
庶民の家の前で止まるのは当たり前。

殿方の目に止まれば娘は玉の輿です。
良く考えたことですね。

勿論現世では、魔よけに塩を盛ったり、いやな客を追い払うために塩をまいたりしますけど語源はこれが始まりだったそうです。

◎塩は人体に必須の大切な食べ物です、食べたいだけたべれば良いのです。「減塩」という言葉がありますが、塩が悪者になっているのは悲しいことですね。 女将は塩をなめるだけで元気になる病人や、目じりの上がる人を沢山見てきましたよ。「敵に塩を送る」という言葉をもういちど考えて見ましょうね。