仕込49号~仕込編 踊り(2日目)~

~仕込編~2日目。
今日は「踊り」という日です。踊りとは、文字通りモロミの表面を「踊らせる」こと。酵母が働き、表面にプクプクと泡が筋状になって「踊り」始めます。
今日は仕込はなく、状態を「じっと待つ日」。

踊りの状貌

写真のように、モロミの表面にぶくぶくと泡が立ってきたので、酵母が順調に増殖している証拠。ここまで酵母が元気に働けば安心です。
むしろ、仕込49号は活発すぎるくらいで、朝からすこし温度を冷やしてあげて、「落ち着いて、落ち着いて…」と言い聞かせている程。競馬にたとえると、第一コーナー手前で減速させている感じ。このまま突っ走らせると最後にヘタってしまいそうです。

夕方には、親タンク(大きいタンク)に移し変えて、明日の仲仕込、明後日の留仕込に備えます。

今日は「じっとまつだけの日」ですが、一見なにもしないように見える今日が実は重要で、既に引退したある名杜氏は踊りの日だけは自らが蔵に泊まり、夜も何度か起きて手入れをしていた……こんな話を聞いたことがあります。

踊りには、「丁度いい加減」があるのです。

静かな緊張感が張り詰める踊りの日でした。

(つづく)
踊り2