磯路

玄関

炉辺焼き風の居酒屋の中に入ると、品の良い白髪の女将が笑顔で出迎えてくれ、厨房の中では、ご主人が慣れた手つきで愛情たっぷりの料理をつくっておられます。

このお店の名前は福岡市平尾にある「磯路」。
真剣、実直、真摯、純粋、真心、愛情…
こんな夫婦で経営されているお店は今年で30年を迎えました。

新鮮な素材新鮮な素材

安全で新鮮な素材にこだわり、そして、ご主人がシンプルな味付けの料理を作ってくれます。

実はこの二人、今年ある雑誌で、「日本一、仲の良い夫婦」として全国に紹介されました。
これからも、おいしい料理を食べさせていただきたいお店でした。

だるま純米酒がキープできます

山田錦造り 今年の作戦

いろいろ調べた結果、今年の夏もムチャクチャ暑いに違いないという結論になりました。

すると、昨年のように、高温障害が懸念されます。
(もっとも、干潟地区の田んぼには真夏でも冷たい水が流れ込むので、高温障害らしい症状はあまり見られませんでしたが…)

稲造りにはいろんなポイントがあるのでしょうが、恒(ひさし)さんの今年の作戦は「遅く植えて遅く刈り取る」。という単純明快なもの。

秋口の気温が高すぎて稲がへたばってしまうので、2週間ほど遅く田植えをして、10日ほど遅く刈り取ろうということです。

育苗箱
↑今年の種まきは6月中旬。いつもより2-3週間遅い。
従来通り、収量を欲張らず、薄くまきます。山田錦ならでは。

苗
↑完成した苗(6月末)。無肥料で育てた苗は、黄緑色のよい「顔色」をしています。
健康そものもです。

恒さんのたんぼ
↑今年の田植えはなんと7月2日。6月20日頃までに田植えをするのが一般的ですが、7月に田植えをしたのは、私自身初めての経験。
恒さんによると、「お天道様と相談しながらやらないとだめ」なのだとか。

見守る恒さん

2008年 山田錦つくり

2008年の山田錦造りが始まっています。

昨年は晩秋まで猛暑が続き、高温障害の一種でしょうか、全国的に米が硬く、酒造りにおいては酒に味が乗りにくい年になったように思います。

さて、今年はどのような年になるのでしょうか。

2008年は、福岡県小郡市干潟地区の重松恒(しげまつひさし)さんの田んぼを追っかけてみようと思います。( 昨年連載した、重松淳一さんとはちがう方です)

恒さんは、「俺は百姓じゃなかったら吉本にいってた。。」というとおり、とにかく良くしゃべり、面白い方。

重松恒(しげまつひさし)さん

現在は、干潟営農集団の集団長さんです。
「米は50回しか作ったことがないから、まだまだ素人」と謙遜されるが、要するに農家一筋50年というベテランです。

恒さんの、米造りの心と技を今年はたっぷりご覧いただきます。

とにかくよく笑います

とにかく良く笑うかたです

(つづく)

蔵元日記7月

酒造業界では7月1日からが新年度となりますので、本日から、20BY(平成20年醸造年度)という新しい醸造年度が始まります。

5月に紹介しました通り、20BYから、副杜氏の古賀が杜氏を務めることになりました。以前にもまして、古賀の日本酒に対する深い愛情が「庭のうぐいす」の味として強く加わり、皆様に味わっていただけるようになります。今後とも宜しくお願いいたします。

古賀剛
甑の前にて本年度から杜氏をさせていただくことになりました古賀と申します。
皆様がたから教わった経験を少しでも活かせるよう、こころを込めて日本酒つくりを行っていきたいと思います。
これからも庭のうぐいすをどうぞ宜しくお願いいたします。

季節料理 かずしま

第1次地酒ブーム…昭和50年代、少数の酒販店の努力により、地方の名もない酒蔵の日本酒が発掘され、銘柄が大都市に紹介されたところその美味しさに火がつき一大ブームを巻き起こした。

高度経済成長の余韻が残っている頃、蔵元は勉強会と称して全国からしょっちゅう集まっては、酒について話し合い、膝を突き合わせて夢を語り合った。山口酒造場も全国を歩き回り、各地の酒つくりを勉強し、また友人の蔵元が筑後を訪ねてくれば当地の旨い酒と肴で朝まで語り合う…

かずしま女将不思議と全国には、今でも「蔵元が集まる店」が点々とある。
そして、九州で蔵元が集まるとき、必ずといっていいほどその舞台になったのが、久留米市にある「季節料理 かずしま」であった。

小さなお店であるが、美味しいお酒の取り揃えと、いかにもお酒が美味しくなるような肴の組み合わせに、全国から集まった蔵元は舌鼓を打つ……何十回と繰り返された光景であった。

しかし、残念なことに名店「かずしま」は先月閉店になった。かずしま女将の一人娘がご結婚されたのがきっかけらしいが、「*筑後四場」という言葉はここから生まれたらしく、逸話が多く残る名店の暖簾が降りてしまうのは誠に残念。
また一つ時代が終わった気がした。

全国に名をとどろかせたかずしまでした
*筑後4場とは、昭和60年代に美味しい純米酒造りを目指した筑後の酒蔵4社を指す。
有名な「越後vs筑後」のイベントでは、新潟の有名銘柄と筑後の無名銘柄をブラインドできき酒したところ、上位を筑後勢が独占し新聞や雑誌が書き立てたこともあり、話題になった。
三井の寿(大刀洗町)、杜の蔵(久留米市三潴町)、旭菊(久留米市三潴町)、庭のうぐいす(久留米市北野町) がその銘柄。

 

梅酒「うぐいすとまり」 粕取りしょうちゅう

当社は、梅酒の原料に粕取りしょうちゅうを選びました。粕取り焼酎とは米焼酎の一種で原料に酒粕を使います。香りがよく味に奥行きがありコクが強いので新酒はとても飲みにくいのですが、熟成したまろやかな味には独特の味わいがあります。

CIMG3871.JPG 昔から「梅酒は粕取り焼酎につけるのが本当は一番美味しいんだけど、、、」といわれていました。粕取り焼酎でつけた梅酒はとても美味しいんだけど、粕取り焼酎自体が高価なものでしかも、モノ不足の時代に「熟成を待つ」というのは庶民では考えられないことでした。当社では粕取り焼酎をじっくりねかせること1年、ようやく梅酒を仕込み独特のとろみが出るのをじっくりまちます。そして待つこと2年、漸く「極上」の名に恥じない他の原料では絶対に出ないとろみと旨みが凝縮されます。「うぐいすとまり」は日本酒の酒蔵だからこそ出来る贅沢な製法で作っています。

うぐいすとまりが、酸味たっぷりでコクがあるのは、そんな大粒の梅をふんだんに使い粕取り焼酎を原料としているからでした。矢幡治美の夢はまだまだ続きます。

梅酒「うぐいすとまり」 矢幡治美の夢

大山町役場兼農協その昔30余年間にわたり大分県大山町町長兼農協長として一村一品運動や高次元農業などを提唱し「ウメ・クリ植えてハワイへ行こう!」と村民を励まし貧しい村を一変させた伝説の人、矢幡治美(やはたはるみ)。大山町は現在でもパスポート保有率全国1位など、なにかにつけ話題に上る世界的に有名な「ムラ」になりました。
http://www.oyama-nk.com/
(大山町農協のホームページをご覧ください)
梅の実この「農業の神様」とされた彼も実はもともと造り酒屋の出身で、大山町の梅を使い極上の梅酒を造る夢を持ち続けていました。その夢は生涯叶わなかったものの、夢は娘・怜子の嫁ぎ先・山口酒造場に引継がれ孫にあたる11代蔵元・山口哲生が祖父が植えた梅の中からよい梅だけを選び梅酒を造るということが実現しました。祖父の夢が孫によってかなえられた瞬間でした。治美が病床でつぶやいた一言「わしは長年種をまき夢を追った。一つだけ願いが叶うとしたら実が成った姿を見てみたかった。」とは、娘に言った一言。晩年は全国の農産地を指導して廻り、念願のレストラン「木の花ガルテン(大山町農協経営)」も福岡市でも大成功を収めていた時、果たして病床で治美が言った「実り」とはどんなものだったのだろうか。

キャロット200雑誌掲載

鳥越俊太郎氏にんじんジュースキャロット200が、週刊新潮の7月号、8月号で紙面紹介されることになりました。
プレゼンテーターは、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏。
(鳥越俊太郎氏は福岡県うきは市のご出身で、当社の遠縁にあたります)

鳥越氏は3年前に大腸がんの手術をしながら、現在は精力的に活動を続けられております。薬に頼らない東洋医学をとりいれた治療を行われているそうですが、肌つやもよくとても病気とは思えないパワーがみなぎっておられます。

紙面では、同氏の食生活や健康感などのお話を交えながら、キャロット200を語っていただくことになりそうです。

鳥越さん、ありがとうございました。
ご健康をお祈り申し上げます。

蔵元日記6月

北部九州は入梅前の爽やかな日々が続いていますが、皆様の街はいかがでしょうか。
山口酒造場では、春先までの酒造りの片付けが終了し静かな毎日が続いておりますが、6月からは田植えなどの打合せが始まるなど、今年の冬の酒造りに向けての準備が既に始まっています。

恒例の社員紹介

今月は、当社の若女将・原田郁花(はらだふみか)の紹介です。

朝早くから蔵男の食事を作り、仕込を手伝い、事務をこなし、着物に着替えては夜の会食……なんてことは、一昔前の話になりましたが、時代は変わっても酒蔵の女将の忙しさは変わらないようです。いつかは山口酒造場の女将として、酒蔵の精神的支柱になれるように日々がんばっています。

原田郁花
若女将の原田郁花はらだふみかですいつも「庭のうぐいす」をご愛顧いただきましてありがとうございす。
女将修行を始めて7年目、まだまだ半人前ですが若々しいスタッフと力を合わせ楽しく仕事をさせていただいております。
お客様に居心地のよい酒蔵になればと思っていますので、これからもどうぞ宜しくお願いします。

挑戦! どぶろく造り⑥

完成しました!

アンティークボトル&ラベルでデザイン

甘酸っぱくどろっとした昔ながらのどぶろくです。 
天然のミネラル、ビタミン類、アミノ酸、酵素など体に良い成分がたくさん入っており、まさしく「百薬の長」。
アルコール分  6~7度
ボーメ(甘さ)  8(←日本酒度-80)
酸度 4.7
というスペックです。

冷やして飲むとドロッと甘酸っぱい感じで、ロックで飲むとサラリと飲みやすくスイスイ入ります。
焼肉やカレーなど、油やスパイスの効いた料理とあうかもしれません。サイダー割りも良いでしょう。

今のところ「火入香」というムレたような香りがあるので、2-3ヶ月は冷蔵庫で静置し品質を落ち着かせます。
本数が1500本程度しかないので、10月1日からの「第22回 筑後の土蔵」にて限定販売になる予定です。

(終わり)

ラベル(仮)